ヨハンナ25歳!兄の紹介で弁護士の男性と結婚

20代ともなれば、女性は誰しも「結婚適齢期」を迎えます。昔は10代後半で結婚するケースが多く、20代前半でも遅いくらいだと言われていました。じゃあ20代後半だともう行き遅れ?扱いされるのでしょうか、なかなか結婚は難しいとされていました。
ヨハンナは10代でフランス語やピアノを猛勉強し、すっかり教養は身に付けました。小さな妹たちのために、自分で勉強したフランス語やピアノを教えるなど、ホイサー家の小さな家庭教師として、大いに家族に役に立ちました。
妹たちにフランス語やピアノを教える傍ら、ヨハンナは大の読書好きになり、時間を忘れるほど色んな本を読みました。やはり彼女自身、小さなころから詩を書いていたせいもあって、有名詩人の詩に関する本を沢山読みました。
ヨハンナの心の中には有名詩人の詩に感動を覚えさせるものがあり、また新しく詩を書きたいと願いだしました。そして勉強を続けました。
勉学に力を入れていたヨハンナは、結婚のことなど頭にはありませんでした。
そんな時、兄の紹介で弁護士の男性と知り合います。彼の名前はヨハン・ベルンハルト・スピリです。この時ヨハンナは25歳になっていました。ヨハンとヨハンナは交際を初めてすぐに意気投合し、結婚しました。
そして結婚後ヨハンナスピリと名字が変わりました。
ここから彼女の本格的な小説の執筆活動が始まります。ヨハンナスピリ、本名そのままで小説を出しました。一番最初に出した小説名は「Ein Blatt auf Vrony’s Grab」です。
小さいころから詩を読んだり書いたりすることを好きだったヨハンナスピリは、結婚生活に入っても、自分のしたいことは実行していました。これは夫の協力・理解がないと出来ません。彼女の小説の内容はチューリッヒで自分が体験したことをそのまま小説にされています。
現代の女性では当たり前とされている「仕事と家庭の両立」をヨハンナスピリはもうやっていたのです。自分のやりたい仕事を家庭を持ちながらでも実行している彼女は、本当に素晴らしい人間です。
自分のやりたい仕事というのは、なかなか出来るものではありません。やはり下積みを経て努力してやっていくものです。途中で投げ出すともうそこでやりたいことの実現はありません。ですが彼女は何もかもやり通したのです。
結婚したばかりだと、勿論家族と離れて、夫と2人暮らしになり、環境や生活もがらりと変わったのですから、一般の人間だと戸惑いと不安で一杯になります。ですがヨハンナスピリの場合は、小説と言った仕事を持つことで、支えになっていました。
小説…終日机に向かって執筆するのですが、これは本当に大変な仕事です。自分の頭で考えていかに読者に魅かれるような文章を書くのは至難の業です。
小説の仕事と家庭の両立で忙しくなったヨハンナスピリ。でも夫が弁護士なので、それ以上にもっと忙しい日々を送るようになりました。
ですが明るいはずの結婚生活も、その後大変なことへと発展していきました。