ハイジの祖父アルムおんじ!物語では触れていない暗い過去とは?

村人からは完全に「変わり者」「頑固者」として噂され、最終的には村で孤立してしまい、山の高いモミの木の前に山小屋を建てて1人暮らしをしていたアルムおんじ。でもハイジと出会って一緒に暮らすようになってからは、みるみる優しいおじいさんになっていき、愛するようになっていきました。
ですがこのハイジのおじいさんこと、アルムおんじはアニメでも原作でも触れられていない暗い過去があるってこと、皆さんは知っていますか?
そういえばアニメの第1話で、デーテと村人のおばさんがアルムおんじについて話していたことで気になるセリフがあります。「大きい声じゃ言えないけど、昔人を殺したっていうじゃないか?」あのアルムおんじが昔人殺しをしたというのは、本当なんでしょうか?
ハイジにとっては優しいおじいさんなのですが、真相を調べてみました。
まずアルムおんじの出生地は、ドムレシュク村の農村でお金持ちの家で生まれ育ちました。ですがお金持ちの家で育った割には、悪い友人を持ち、相当のギャンブル好きだったとも言います。賭博にお金を使い果たし、家、財産、地位も全部失ってしまい、おんじの両親はショックのあまり、相次いで亡くなってしまいました。
その後おんじは故郷を離れて、イタリアのナポリで兵隊になりました。その時、戦争で人を殺したわけではなく、仲間同士で喧嘩して殴り殺してしまったそうですが…これは真実なのかどうか、詳細は不明です。
おんじがいつ結婚したかも不明ですが、息子のトビアスを設けます。おんじの奥さんは早くに亡くなりました。おんじは大工仕事が得意で、息子にもその仕事を教えます。トビアスは父のおんじとは違って、とても優しい性格だったのです。
気さくで優しくて、デルフリ村では誰からも好かれていました。その後トビアスは村人の女性の1人と結婚します。その女性がアーデルハイドなのです。デーテの姉です。
トビアスとアーデルハイドの間にハイジが生まれます。ハイジは元々デルフリ村で生まれたのです。ですが!
ハイジの父トビアスは、大工仕事の事故で急死してしまいました。そして母アーデルハイドもショックから夢遊病を発症し、トビアスの後を追うようにして亡くなってしまいました。
ハイジの両親が死んだのは、おんじが神様を一切信じておらず、危ない大工仕事などしていたからだと村人たちから非難されました。教会の牧師がおんじに対して、懺悔をするように勧めましたが、おんじは断りました。
それがきっかけで、おんじは村人達との交流を一切止めて、村を出ていきました。そして村人たちもおんじを嫌うようになり、誰一人として近づこうとはしませんでした。完全におんじは孤立してしまったのです。
村を出たおんじは、村から離れて山に登り、モミの木の前に自分で山小屋を建てて村人たちを避けるかのように1人でひっそりと暮らすようになった、という訳です。ハイジに出会う前のおんじは本当に誰とも口をきかず、心開くことはしませんでした。
でも4年後ハイジがやってきてからは、段々本来の優しさを取り戻していきました。おんじも根っからの悪人ではありません。ハイジをあんなに可愛がっていたのですから。寂しい人だったのです。