ヨハンナ長い病気療養の末!結婚して3年目に長男が誕生!

25歳で結婚し、遠く離れた都会生活に馴染めなかったことで病気になってしまったヨハンナでしたが、長い療養生活の末、やっと回復しました。
病気が治るまで約3年間かかりましたが、彼女は何とか自力で病気を治すことに成功しました。これは夫の深い愛情と理解があったからです。それこそ夫婦で乗り切った努力の賜物です。
そして28歳になって、ヨハンナは一人息子を授かりました。名前はベルンハルト・ディートヘルムです。子供が誕生して、ヨハンナと夫にとって本当の幸せが始まろうとしていました。
ですが息子のベルンハルトは生まれつき体が弱くて、病気ばかりしていました。育児は大変なものでした。ヨハンナもまだ心の病から立ち直ったばかりなのに、彼女の結婚生活は次から次へと難題が降りかかってくる有様でした。
でも母となった彼女は、大切な一人息子を深く愛し、大事に育てて行きました。でも病弱な息子には素敵な才能がありました。
それはバイオリンを演奏することです。息子に音楽の才能があることをいち早く発見したヨハンナは、息子の奏でるバイオリンに自分もピアノ演奏に参加することを習慣にしていました。
息子のベルンハルトも母ヨハンナが、自分の才能を認めてくれることを大変嬉しく思っていました。バイオリン演奏が好きな彼は、本格的に音楽家になりたいという夢を抱くようになりました。
ヨハンナもそんな息子の夢を叶えてあげたい気持ちはありました。自分自身も10代のころは、叔母の家でホームステイをしながら、フランス語、ピアノを必死で勉強しました。その後はフランスに短期留学し、本格的なフランス語を勉強したお蔭で、今では日常会話が出来ます。
それはヨハンナの母が勧めてくれたからこそ、今があります。ですが自分の時と息子とは凄い違いがあるということを彼女はもうすでに分かっていました。それは息子自身が病気がちで、とてもよそに音楽の勉強に出す気になれなかったのです。
折角音楽家になれるチャンスなのに!とヨハンナは考えに考えましたが、息子の病弱な体のことを思うと迷いが生じました。
留学はさせたいけれど、体が弱いと遠く離れた時にその先で何が起こるか分からない、やっぱり一人息子のためには、父母の元で一緒に暮らす方がいいのではないかと最終的には決断をしました。
音楽の才能に満ち溢れていた一人息子をどうしても遠くにやることが出来ず、ヨハンナは息子に音楽家への道を諦めさせることになってしまいました。「体が弱くて何が起こるか分からない」と言う理由からでした。
ベルンハルトは、母のそんな説得にどんなに残念な気持ちを抱いていたかと思うと不憫でなりません。好きな音楽の勉強がよそで出来なかった…普通なら両親に自分の夢を実現させてもらえなかったということで、怒りの気持ちを抱くものですが、ベルンハルトは反対に、母がいかに自分のことを愛して心配しているのかが、分かり素直に受け入れました。
音楽の才能が伸ばせるチャンスを断念したベルンハルトの気持ちを思うと、本当に残念です。