愛する人達を亡くしたヨハンナ!その後は作家として全力投球!

折角「アルプスの少女ハイジ」を誕生させ、大ヒット作になったにも関わらず、ヨハンナは愛する一人息子と夫を同じ年のしかも半年間で相次いで病気で亡くしてしまい、晩年はひとりぼっちの人生を歩んでいくといった、悲しい運命をしょいこむ羽目となってしまいました。
暫くは2人を亡くした悲しみをなかなか受け入れられず、傷心状態のヨハンナでした。愛する人を一気に亡くすことって本当に運命を呪いたくなります。「何故私がこんな目にあわなくてはいけないのか?」みたいに普通は悲観的になり、なかなか立ち直れません。
ですがヨハンナには小説家の仕事があります。この仕事さえしていれば、自分の作品を待っててくれる沢山の読者がいますし、何より楽しんで読んでくれることは彼女にとっても嬉しいことです。
生前の一人息子と夫との楽しく幸せな毎日、苦労はあったけれどそれなりにヨハンナにとっては家族3人で暮らした思い出は決して消えることがありません。
そして息子と夫を亡くした翌年、ヨハンナは愛する夫の思い出を書き綴った作品を新聞に掲載させました。題名は「ある弁護士の生活から」です。これはヨハンナの愛した夫の弁護士としての活躍ぶりを書いたものでした。
そして1人になってしまったヨハンナは、ラガーツの温泉を離れて、ツェルトヴェークの住宅地エッシャーハウスに引っ越します。そこへ引っ越したのをきっかけに、彼女は最後の人生を賭けて小説家の仕事に没頭し始めます。
家政婦を雇い、ヨハンナの生きがい小説家としての情熱的な人生が始まりました。「沢山の小説を書いて、多くの人達に読んでもらうことが私にとっての新しい生きがい!」と自分自身に言い聞かせ、息子と夫を急に亡くしてしまった悲しみから早く立ち直れるように彼女は頑張り続けました。
そして見事にヨハンナは、悲しみから立ち直り、その上「ハイジ」が英語版として出版されるとまたまたヒットの嵐になりました。
やがて60代に入ると、どんどん作品を出し続けていきました。ヨハンナの小説家としての情熱が一番最大であった時期でもあります。
仕事がひと段落すると、外国へ旅行に行くなど、1人になってもヨハンナは強くたくましく小説家としての道を歩み続けます。再婚もせず、独身を通し続けます。
好きな仕事を持つことで、自分の書いた作品が多くの人を喜ばせることが出来るなんて、本当にヨハンナは素晴らしい女性と言えます。しかも息子と夫を立て続けに亡くしても、悲しみから立ち直って1人で誰にも迷惑かけずに生きています。
ヨハンナの人生の支えは小説家として沢山の作品を書いて、1人でも多くの人に見てもらうことだったんです。幼少時代、母から聞いた詩の朗読や讃美歌を聞いて育ち、その魅力を彼女は子供ながらにもう知っていたのです!
でなければこんなに沢山の作品は書けなかったでしょう。息子と夫亡き後は、ヨハンナ小説家としての誇りを持って、全力投球していました。
晩年の彼女の作品はどれも力作揃いです。