アルプスの少女ハイジ!主人公のモデルはもしかしてヨハンナ?

1880年から1881年にかけて、「ハイジの修行時代、遍歴時代」とその続編「ハイジは習ったことを使うことが出来る」が読者の間でたちまち人気となり、その後改めて「アルプスの少女ハイジ」が誕生しました。
この「ハイジ」を出したことがきっかけで、ヨハンナスピリとして実名を公表しましたが、この「アルプスの少女ハイジ」の主人公のモデルは、原作者のヨハンナスピリ自身のことではないでしょうか?
この作品を書いている最中、彼女は自分の幼いころからの体験を元にしているとは分かっていますが、主人公ハイジの行動とヨハンナの行動にはとても共通点があります。
まず、ハイジは物語の最初からアルプスの山々に感動して、山や野原を駆け巡ります。ヨハンナも幼いころは、お転婆で元気にアルプスの風景を眺めながら、野原を走り回っていました。ここが1つ目のハイジとヨハンナの共通点です。
もっと探してみますと…!!ハイジはマイエンフェルトから叔母のデーテに連れられて、父方の祖父であるアルムおんじへ向かうことからストーリーは開始されています。実際にヨハンナもマイエンフェルトにはいたことがあり、友人の村から散歩がてらこのハイジの元となる物語を考えていました。
只アニメ版によく「デルフリ村」と名前を聞きますが、実はスイスにはこの村の名前の存在はなく、架空の村とされています。実際にある村はマイエンフェルトの道と繋がっているヨハンナの友人が住むイニエンス村となっています。
それからハイジが8歳になって、まだ字も読めず、何も教養がないことから、叔母のデーテが無理矢理おじいさんと引き離してフランクフルトへ連れて行きます。ハイジにとって、これはスイスを離れ、ドイツの大都会フランクフルトへ大富豪の娘、クララの遊び相手として滞在することになります。
ここでも共通点が発覚してます。ハイジはフランクフルトにてクララと一緒に字を覚えるなどの勉強をしています。一方のヨハンナも一時家を離れて叔母の家に滞在してフランス語やピアノの勉強をしています。
本格的なフランス語を勉強するため、ヨハンナはフランスに短期留学、そしてハイジはフランクフルトで本を読めるようになる勉強や、教養を身に付けることを学んでいます。ハイジの場合は自分の意思でフランクフルトに来てるわけではないですが、まあこれも1つのホームステイと言っていいでしょう。
生まれ故郷を離れて、勉強している点ではハイジもヨハンナも同じです。それから深刻なことも共通点があります。
それは慣れない都会生活で、ハイジもヨハンナも酷いホームシックになってしまったことと、そして心の病を抱えたことです。山の田舎で育ったハイジもヨハンナも、大都会での生活にはなかなか馴染めず、それを我慢してとうとう病気になってしまいました。
ハイジの場合、夢遊病になって屋敷の中をまるで幽霊のようにうろついていた所を、クララの父と医師に発見されて故郷のスイスに帰れることになりました。ですがヨハンナの場合は違います。
彼女は宗教や夫の配慮で有名作曲家の音楽を聴くことで、自力で病気から立ち直っています。ここが違っています。
やはり幼くして両親を亡くしたハイジが、血縁者が1人もいない大金持ちの屋敷にしかも遠い故郷を離れていきなり大都会に連れてこられたら、孤独感で一杯になるのは無理もありません。
当時結婚したばかりのヨハンナが、夫といきなり知らない都会で住居を構え、心細い思いをしたことで、その辛かった体験を主人公のハイジに重ねたのではないでしょうか?
やはりハイジのモデルは、ヨハンナ自身そのものです。